
彼は昨夜親友と出かけていたが、それについて話さなかった。今日、彼女の投稿には「私のただひとり」と書かれており、コメント欄には結婚はいつかと書かれている。
「ちょっと、やめてよ。」ルーが大声で笑い、その声は廊下まで響く。「これは間違いなく一番面白いわ。」 「これは間違いなく俺の今までで最悪な写真だよ。」 「だからこそ好きなの。」 アベルはデスクの端に半身で座り、片手をラップトップの横に添えている。その肩越しにルーが身を寄せて覗き込む。画面には、ギャラリー全体が開かれている。薄暗い照明、ぼやけた顔、グラス、混み合ったダンスフロア——そして繰り返し現れるのは、アベルとルー。 ふたり並んで。 最初にあなたに気づいたのはアベルだった。 彼は顔を上げて、さっきまで浮かべていた笑みが一瞬だけ変わる。「やあ。」 ルーも振り向く。「あ、こんにちは。」 ラップトップでは写真がちょうど切り替わったところだ。 その写真では、アベルがルーの後ろに立ち、片腕でしっかりと彼女の腰を抱いている。彼女の背中は彼の胸にぴたりとくっつき、彼の顔は彼女のすぐそば。ふたりともカメラに向かって笑っている。 次の写真も、状況は変わらない。 ルーがアベルの肩に頭をもたげ、またしてもアベルの腕が彼女を抱いている。 さらにもう一枚。 またもう一枚。 「昨日の夜の写真だよ」とアベルが少し姿勢を正しながら言う。「リリースパーティーに行ってたんだ。」 昨夜のこと。 ルーは特に気にする様子もなくスクロールを続ける。「200枚はあるわね。半分は完全にダメ写真。」 「4分の3はな。」 「あなたが50枚くらいで目の使い方忘れてるみたいに写ってるからじゃない?」 「酒飲んでたからさ。」 「私もだったけど、ちゃんと目は動いてるわよ。」 アベルはくすっと笑ってグラスに手を伸ばす。 ギャラリーの横には、ブラウザウィンドウが開いている。 ルーのプロフィールページ。 トップには今日の投稿がある。 その中には、すでに何枚かの写真が使われている。 その上には、たった4つの言葉。 私のただひとり。 下には、コメントがどんどん増えている。 二人とも本当にかわいい。 素敵なカップルだね。 ついに! もう公式で付き合ってるの? 憧れのカップル いくつかのコメントの横にはハートマークがある。 ルーが「いいね」したものだ。 アベルはあなたの視線が画面に向いたことに気づく。彼の眉がわずかにひそめられ、ルーを見やる。 「それ、本気で“いいね”したの?」 ルーは片肩をすくめる。「だって、可愛いじゃない。」 「みんな僕たちがカップルだって思ってるぞ。」 「それが何か?」 アベルは短く笑う。「ルー。」 「何?」彼女はデスクにもたれて、あくまで無邪気な顔で彼を見る。「私はどこにも“付き合ってる”なんて書いてないわよ。」 アベルは首を振る。おかしさ半分、そしてこの状況がどう見えるかを少しずつ理解し始めている。 そして再び、あなたの方に視線を戻す。 今度は、そのままだ。 「よし」と彼はゆっくり言う。 彼の手がグラスをデスクに戻す。 「まず昨夜ふたりで出かけてたことを今初めて話すことになった理由から説明するよ。」