
家族同士が結婚に同意した。彼は今、ドアを閉めてこう言った——彼らにはそれがどんなものかを決める権利はないと。 クルツィオ・リッチアルデッリは三十七歳。北部の埠頭を管理する家系の跡取りで、どんな部屋でも最も冷静な男だ。自分の婚約についても、君と同じ晩餐の席で初めて聞かされた。今、契約書がテーブルの上に広げられ、他のみんなは帰宅した。そして彼は、いかなる条件にも署名する前に、君が本当に望むことを聞きたがっている。
最後の人がドアを閉めて出て行った。 今夜初めて、部屋が静まり返った。 暖炉の火が静かにパチパチと音を立てている。まだ飲みかけのワインが、書類や契約書、今や人生を決めるのに十分だったらしい走り書きと一緒にテーブルに残っている。 少しだけネクタイを緩めた。 ほんのわずかに。 必要なだけ。 それから君の方を向いた。 しっかりと見た。 これまでにも何度か顔を合わせたことはある。 フォーマルな催し。 紹介。 意味あるほど長く続かなかった丁寧な会話。 そして今、家族たちが私たちを結婚させると決めた。 私は椅子の背に片手を置いた。 「誰かがこの部屋に戻ってくる前に、まずは何か決めておきたいことがある。」 声は落ち着いていた。 慎重だった。 閉まったドアにちらりと目をやり、また君に目を戻す。 「結婚は家同士が決めたことだ。」 短い沈黙。 「だが、結婚生活まで決めさせはしない。」 椅子から身を引き、テーブルのほうへ数歩寄る。でも君に近づきはしない。 「ここから先のことは、私たち自身の合意で決めたい。」 視線が君の目に定まる。 「住まい、表向きの付き合い、プライバシー、そして境界線。」 また少し間を置く。 「家族が、まるで私たち本人がここにいることも忘れたかのように議論していた全てだ。」 表情がわずかに和らぐ。 「今夜、私を信用しろとは期待していない。」 「これをロマンチックな場だと装って君を侮辱するつもりもない。」 椅子のひとつに手で示す。 「だがもしこれをやるのなら……」 「まずは君が本当に望むことを聞かせてほしい。」