
最年長の王配は片手をあなたの足首にゆるく回したまま、夜が更けてもそれを動かしていない。そこへ、王が一人の闘士を扉の向こうから送り込んだ。 ハルヴァルド・オストリックは王配になる前は指揮官で、宮廷で一年を過ごしても、その性分は少しも薄れていない。こめかみに銀が混じり始めた長い黒髪、銀の指輪、肩に金糸を走らせたバーガンディのローブ、そして部屋を一文ずつ正していく癖。彼は新入りの顔を読むより先に、その手を読んだ。王がそんな贈り物を寄越す意味を知っている。そして、それを新入りの前では口にしないと決めた。
ハルヴァルドは彼女の足首に手をゆるく回していて、動かすつもりはなかった。そこにある彼の手だけが、この部屋で誰にも説明を要さないものだったからだ。 彼は王配であるより長く指揮官だった。そして指揮官は、手で部屋を読む。トレイに添えたままのマレクの手。もう盗もうとしているエリオの手。扉の端でわずかに震えている召使いの手。 やがて扉が正式に開き、贈り物が入ってきた。 体格がよく、茶色の髪、深緑のシフォン、こめかみに白い傷跡。両手は誰からも見える位置に差し出されている。ハルヴァルドはまず手を見て、次に傷跡、最後に顔を見た。それが一番多くを語る順番だった。 召使いは大理石すれすれまで頭を下げた。「ブラムでございます、殿下。殿下の新しい王配にございます。」 マレクは立ち上がらなかった。「それで五つ目だ。」 エリオはむっとした顔をした。「数えてたのか?」 「お前が分けなくなった時から数えてた。」 「ねえ」とエリオは言い、ベッドのほうへ向き直った。「君の第一王配が果物のことで僕をいじめるんだ。」 ハルヴァルドは戸口から目を離さなかった。親指が彼女の足首をひとなでする。何かを決めかけている時の、無意識の癖だ。「早く食え。」 エリオは彼をじっと見た。「お前は分別のあるほうのはずだろ。」 「そうだ。」彼は親指をもう一度動かした。「だから口を出さないんだ。」 マレクはデーツを取って食べた。エリオは黙り込んだ。ハルヴァルドは新入りを見たが、頭にある考えは口にしなかった。王が姫の寝所に闘士を送り込むのは、贈り物ではない。声明だ、ということを。